真空とは about vacuum

真空とは

真空は実用的には次の二つに大別されます。

  • 絶対真空:物質・圧力が 0 の仮想的状態(全くなにも無い状態)。
  • 負圧:標準大気圧より圧力が低い状態。JIS によって圧力の段階ごとに区分されている。

絶対真空とは空間中に分子が一つも無い状態を示しますが、地球の表面上の圧力(1気圧)は100 kPa時に1 cm3中の気体分子は0 ℃時で2.69×1019個も存在します。人工に作り出せる真空状態は10-11 Pa程度が限界で、この圧力下でも1 cm3に数千個の気体分子が存在することになります。外宇宙と呼ばれる銀河と銀河の間でも気体分子は存在するとされています。 負圧は、しばしば俗に「真空度が良い」「真空度が悪い」「真空度が駄目」などという使い方をされる。真空度とは圧力でも表されるがその場合は言葉のイメージと表現が逆になるので注意が必要である(例:真空度が良い=圧力が低い)。真空ポンプを用いて真空を得ることができる。真空度の単位は Torr(トル)が用いられてきたが、SI単位系への統一に伴い、Pa(パスカル)に移行しつつある。1 atm=1.01325×105 Pa=760 Torrである。

引用元:ウィキペディア

超高真空:UHV:Ultra High Vacuum 圧力10-5Pa以下の真空

地上250km以上の空間はすでに超高真空といわれる圧力になります。超高真空の用途は多岐に渡り、清浄な空間で電子線や分子線などを用いて物質の表面やガスの分析などが行われます。 研究分野などでもよく使われる素粒子の研究用大型加速器,表面分析装置,分子線蒸着装置,反射電子線回折装(RHEED)JT 60等核融合実験装置,スペースチャンバなどは超高真空下を使用する代表的な装置です。

使われる主な真空ボンブ:
ターボ分子ポンプ,クライオポンプ,スパッタイオンポンプ, ドライポンプ,油回転真空ポンプ

高真空:HV:High Vacuum 圧力(10-1 ~ 10-5Pa) の真空

地上90~ 250kmの高空の圧力に相当します。
高真空の用途として、加速器,表面分析装置,核融合実験装置,真空蒸着装置,スパッタリング装置,真空冶金装置イオン注入装置,X ttlal折装置などの分析装置,イオンプレーティング装置,表面処理装置,イオンエッチング装置などがあります。
半導体・電子部品などの製造に用いられる薄膜加工装置は作動圧力では中真空の領域ですが,ベース圧力まで排気して清浄な真空を得るために,装置としてはその多くが高真空領域までの排気能力が求められるケースが多い分野で、自動車産業,機械工業,化学工業,光学産業などの産業界でも薄膜加工や表面観測などに数多い装置を提供されています。
分子蒸留装置等の真空化学装置も食品や薬品や化学工業向けに使われている。

使われる主な真空ポンプ:
ターボ分子ポンプ,クライオポンプ,油拡散ポンプ, ドライポンプ,スパッタイオンポンプ,ソープションポンプ,油回転真空ポンプ

中真空:HV:Medium Vacuum 圧力(102~10-1Pa)の真空

地上60~ 90kmの高空の圧力に相当します。
中真空の用途として、電子部品,化学工業,薬品工業などの生産装置として,各種CVD,プラズマ処理装置,真空乾燥装置が用いられています。
化学工業,食品工業,石油化学工業,医薬品工業などの生産装置として,凍結乾燥装置,真空乾燥装置,真空蒸留装置が用いられています。
大学,化学工業,医薬品工業,食品工業などの研究所にて真空乾燥装置,凍結乾燥装置,理化学機器の装置が用いられています。

使われる主な真空ボンプ:
油拡散真空ポンプ,エジェクタ, ドライポンプ,油回転真空ポンプ

低真空:LV:Low Vacuum 圧力(1 05~102Pa) の真空

地上から上空50kmほどの上空の圧力に相当します。
用途として、産業界において一般的によく使われるシンク領域で、以下に代表的な事例を記載します。