真空ポンプメーカーについて

真空ポンプとは、容器の内部から気体を排出して、真空状態を作るためのポンプで、バキュームポンプともいわれています。
真空ポンプは構成上、気体を吸入する部分の吸気口、真空ポンプ内に入った気体を排出する排気口、ポンプ作用を起こすポンプの3つより成り立ちます。真空度の度合いがどのくらいなのか、あるいは排気する気体の成分などにより使う真空ポンプは異なってきます。
一般的に利用度の高いものとしては、コストや排気量などトータルで考慮した場合、いわゆるロータリーポンプといわれるものがあります。

真空産業の中心をしめる真空ポンプ産業は、かつて欧米からの輸入品が中心でした。明治維新以降に急速に近代化を進めた日本は、各種技術にそうした傾向が見られました。自動車にせよ飛行機にせよ、初めは全て欧米の模倣です。資源や技術を持たない国の悲しさと言えます。

 もっとも、欧米の後塵を拝しているばかりではありません。精密産業や半導体メーカーの成長に合わせて、日本独自の真空ポンプメーカーが次々と誕生し、欧米メーカーを凌駕するに至りました。しかしそれは国内に限っての話で、日本のメーカーが手を及ぼせない地域(意外なことに韓国や台湾のように、比較的日本に近い国もそこに含まれます)に関しては、まだまだ欧米側の方が優勢です。逆を言えば伸びしろがある訳でして、発展の余地を充分残しているといえましょう。